世の中には年間100冊とか200冊読む人がいます。
その人達ってどうやってそんなに本を読んでいるのか気になりませんか?
「自分も効率的に情報収集したいと思っていても、実際どのようにすればいいのわからない」という人がほとんどではないでしょうか。
ざっと目を通すだけでは頭に入らないし、ただ闇雲に本を読むだけでは、せっかくの知識も宝の持ち腐れです。
そこでこの記事では、年間100冊以上ビジネス書を読む筆者が、効率的な読書術を徹底解説します。
選書から効率的な読み方、そして仕事に活かすアウトプット方法まで、あなたの読書を劇的に変えるノウハウが満載です。
この記事は以下4つのフェーズに分けて、ノウハウを解説していきます。
- 【考え方】読書の心構え
- 【読書前】読む前の準備
- 【読書中】効率的な速読
- 【読書後】読書メモ
不要なところは読み飛ばしてもらってもOKです。
ぜひ、ご自身の必要な部分だけでも参考にしてもらえれば幸いです。
【考え方】読書の心構え
読書する理由
読書は、成功した人が努力の末に得た知識や経験を、短時間で効率良く学ぶことができる、非常に割安な自己投資です。
「本を読む時間がない」という人もいるかもしれませんが、それは逆で、「本を読まないから時間がない」のです。
本を読むことで、他人の経験を追体験し、試行錯誤の時間を削減できます。つまり、読書は時間の節約になるのです。
※試行錯誤が必要ないということではなく最初からレベルの高い試行錯誤ができるということ。
読書は投資活動である
読書は、自己投資の中でも最も割安で、リターンが大きいものです。
せっかく本に上手いやり方が書いてあるのに、毎回ゼロから自分の力のみで進めようとすると非常に効率が悪いのです。
本は著者が何年も何百時間と時間をかけて作り出したノウハウを1500円くらいの一冊の本を読むだけで手に入れることができます。
読書とはそのノウハウに、早く・少ない労力で正解に辿り着く方法です。だからこそあまり書籍の金額をケチり過ぎず、未来の自分への投資と考えて、良い本にはどんどんお金を使うべきです。
忘れないというのは難しい、だから忘れる前提で
本を読むだけでは成果につながりません。どれだけたくさんの本を読み、大量かつ良質のインプットをしたとしても、それらのインプットを知的生産の文脈にあわせて自由に活用できなければ意味がないのです。そのためには、インプットされた情報をいかに効率的にストックし、自由自在に活用するかが重要です。
山口 周. 外資系コンサルが教える 読書を仕事につなげる技術
ここで重要なのが「記憶に頼らない」ことです。「インプットした情報をストックする」と聞けば、多くの人は「インプットされた情報を脳内に記憶する」ことをイメージするでしょう。しかしこれは大きな勘違いです。脳内の記憶だけに頼って知的生産を行うとアウトプットはとても貧弱なものになってしまいます。
本の内容は自然と薄れていってしまうもの。
読書内容を全て脳内に覚えるのにはそもそも無理があります。このやり方はかなり非現実的です。
ではどうするか?だったら「読書内容を忘れても良い仕組み」を作れば良いのです。
具体的にはNotionなどのデジタルツールにメモを格納して、いつでも必要な時に情報を引っ張り出せる状態にしておくというものです。
デジタルツールに格納することで安心して忘れても大丈夫な状態にすることができます。
最初から全部読もうとしない
一般的に本よ読む場合、頭から順番に読んで行くのが普通かもしれません。
しかし、本の内容をすべて読まなくてはいけないというルールはありません。
自分の知りたい情報さえ、本から吸収することができれば、読書の方法としては充分です。
具体的には以下のような方法があります。
例えば、どこか目的地に行きたい時に地図でおおまかな場所を把握すると同じで
全体のアウトラインが把握できていると、目的地までに一直線で進むことができて、結果的に早く辿り着けます。
本に関しても同じです。大まかな構成を先に頭に入れておくことで、肉付けの文章の内容の理解が早まり、結果的に早く読むことができます。
【読書前】読む前の準備
【選書・購入方法】本にはアタリ・ハズレがある
どんなに良い打者でも全打席でヒットを打つことはできません。
ヒットを量産するには、まず打席に立つ回数を増やす必要があります。
読書も同じで、残念ながらすべての本が良い本(ヒット)というわけではありません。本にはアタリ・ハズレがあります。
筆者も一定の量の本は読みますが、20冊に1冊ほど良い本に巡り会えればラッキーだと思っています。打率を10割にすることはできないので、一定数の量を読むことは必須なのです。
…とは言え、打率をあげる方法を考えなければ、むやみやたらに選書することになります。
具体的には以下を意識して選ぶと失敗を減らしやすくなります。
初心者向けの本から始める(いきなり難しい本を選ばない)
読む本には順番があります。
選んでいく本の順番を間違えてしまうと、本を理解できなかったり、知識が身につかなかったりするのです。何かを学習したい場合、その分野のガイド本を最初に読んでその分野の全体像を掴むことが大切です。
読書の基礎をつけてからでないと、難解な本は読み解きにくくなります。
専門的な知識を分かりやすく解説している本が最初の読書の入口。まずは読書に慣れるために、読みやすい新書などはオススメです。
信頼できる書評やブロガー・youtuberなどの意見を参考にする
本屋さんの平積みの書籍よりも、その分野に詳しい人や第三者の意見を参考にした方が、アタリを引く確率が高くなります。
既にその本を読んだ人のレビューを参考にするということですね。
信頼できる書評を書いてくれるブロガーなどがいると、選書がはかどると思います。
知識を深めるのか広げるのか、目的を意識する
良い本の基準というのは、人の目的によって変わります。ある人にとっては良い本でも、他の人にとっては悪い本かもしれません。
特に、広く浅くその分野の全体像を知りたいのか?部分的に専門的な知識を深く掘り下げたいのか?によっても選ぶ本は変わってきます。
読む本になにを求めるのかを考えながら選書するのは非常に有効です。
読書の目的を明確にする
本を選ぶ時だけではなく、読み進める直前にも「読む目的」をさらに明確にしていきましょう。
目的が決まっていれば、不要なところが見えてくるので、飛ばし読みができます。
逆に重要なところが出て来たら集中して読むことができます。重要なところと、そうでないところの見極めがはっきりつくようになるのです。
したがって、どうでも良いところは捨てるのことができるので読むスピードが早くなります。
その上で目的を意識しながら読み進めると内容が頭によく入って来ます。
これをやらないと自分に関係ないところまで惰性で読んでしまうことになります。すると時間がかかるし、無駄が増えて大事なところがぼやけてしまう。
これは心理学で言う「カラーバス効果」というもので説明できます。
ある一つのことを意識することで、それに関する情報が無意識に自分の手元にたくさん集まるようになる現象のことを言います。 カラーバスは「color(色)」を「bath(浴びる)」、つまり色の認知に由来しますが、色に限らず言葉やイメージ、モノなど意識するあらゆる事象に対して起きるものです。
https://kyoshin.group
たとえば家を出る前に
「今日一日で赤い色のものをどれだけ見つけられるだろう?」と意識したとします。
すると街に出た途端、赤い色のものが目に飛び込んでくる。
もちろん一晩で急に赤い物が街に増えたわけではなく、意識したことによって目につくようになるということ。
だから読書も同じで、目的が定まると、早く読んでも対象のものが出てくると目に留まるようになります。
読む前になぜその本を読むのか?を明確にしておく
それによって一冊を読み通すモチベーションや集中力を保つことができます。
この3行でOKです。
人間はなんとなく読んでいると目的意識が薄れやすく、それは自然なことです。このように事前に目的意識を補完するようにしましょう。
途中の集中力が切れかけた時やモチベーションが落ちてきた時に便利です。
【読書中】効率的な速読
本は「2割だけ」読めばいいと割り切る
パレートの法則は、多くの本についても当てはまるように思います。つまり、その本から得られる効果の80%は、全体の20%によってもたらされる、ということです。したがって、効率的に読書からインプットを得ようと思うのであれば、いかにしてこの20%の「ミソ」となる部分を見抜くかというのが大きなカギになってきます。
山口 周. 外資系コンサルが教える 読書を仕事につなげる技術
ビジネス書で本当に大切なことは、その本の全体の2割程度です。
つまり本の内容を効率的に把握するにはこの全体の2割の部分をいかに効率よく把握するのか?というのが重要になってきます。
ではどのようにして早く読むのか?
それはスキミング(拾い読み)です。
読むべき箇所を減らすことで早く読むということ。
- ざっと目を通すべきなのか
- じっくり読むべきなのか
- 読まずに飛ばすのか
早く読むメリットは、その本が読むべき本なのか、それとも読まなくてもよい本なのか見分けられることです。
スキミングでざっと把握をして、これはきちんと読むべきだ、と判断したら、精読をする。いらないところはどんどん読み捨てるのがポイントです。
読むリターンがなければ切り捨てる
読み捨てるのはもったいないと感じるかもしれませんが、頭からすべてを丁寧に読むのは効率が悪すぎます。
読書という行為は、自分の時間といくばくかのお金を投資することで人生における豊かさを回収するという投資行為です。
投資をしても大きなリターンが見込めないのであれば、それ以上投資をしてもしょうがないわけです。
これ以上時間を投入しても、得られるものが割に合わないのであれば、さっさと切り捨てる。
そうしないと投下するリソースがもったいないです。
【注意】スキミングはある程度知識がある前提の読書方法
全く知らない分野は飛ばして行くとわからなくなるので、スキミングができません。
単語や言葉の意味がわからないと、理解できないためです。
だからスキミングは前提知識(基礎)を知っていることが大前提になります。
もし知らないのであれば、まずは基礎知識となる入門書や初心者本などを読み始めるのが良いでしょう。
【豆知識】本の大部分は既に世の中で論じられている内容である
基礎があれば、読むべき本もそんなに多くはないことがわかります。
書籍のほとんどは、過去の論じられた内容が大半で、既に論じられている内容に追加して、著者の意見が10%~20%、新しい情報が10%~20%という構成が多いのです。
書籍の精読すべき箇所は全体の7~11%しかないという研究データもあります。
このような僅かな読むべき箇所を探して読むのが効率の良い速読です。
【読書後】読書メモ
大事なのは読んだ後
読書で本を読むというのはシェフが食材を仕入れるのに似ています。
- シェフは仕入れた食材をそのまま出すことはしない。
- 冷蔵庫にしまって客の要望に応じて、食材を組み合わせ、素晴らしい料理を振舞う。
- ビジネスマンも同じくこのように仕入れた情報を組み合わせることでバリューを出している。
- せっかく読書で情報を仕入れてもそのあとに上手く使うところまで行かないから、仕事につながっていない。
- つまり、読書をしているのに仕事のパフォーマンスにつなげられない人は、「仕入れの量」ではなくて、「仕入れた後」に問題がある。
- だから読書をした後が大事。
- このような場合「情報の整理・貯蔵の仕方」、「情報の組み合わせ方」に改善を入れなくてはいない。
読書のサマリーを作成する
学びの大きかった内容を5~9つ選び出しましょう。
選び出した内容はNotionなどのスキなメモツールに書き出して、必要な時にいつでもメモを引っ張りダル状態にすると良いですよ。
対応方法 | ・学びの大きかった内容をPCにピックアップしてメモする。 |
メモのポイント | ・内容は頭に入れたい重要な部分のみでOK ・箇条書きでOK(むしろその方が効率が良い) ・メモする時は、最終的に人に見せるつもりで書く |
メモするメリット | ・目と手で同時インプットするので記憶に定着しやすい ・要点だけ絞って後から見返すことも容易にできる ・人に見せるつもりでいると、強制的に情報整理することになるので吸収率が良い |
これをやると、いかに普段の読書が内容を理解してないかがよくわかって来ます。
作成するメモは箇条書きで構いません。むしろ、情報を整理さえできればいいので、以下のような粒度でも構わないと思います。
このアウトプットをすると通常の読書よりもインプットが非常にはかどります。
まとめ
効率的な読書のコツを紹介しました。
以下、まとめになります。
心構え | ・読書は自己投資: 成功者の知識や経験を効率的に学ぶための手段。 ・読書は時間の節約: 他人の試行錯誤を学び、時間を有効活用できる。 ・読書は投資活動: 割安でリターンが大きい自己投資。 ・読書は忘れる前提: 記憶に頼らず、情報を効率的にストックし活用する。 |
読書前 選書と準備 | ・選書方法: 初心者向けの本から始め、信頼できる書評を参考に、知識を深めるか広げるかの目的を意識する。 ・読書の目的を明確にする: 読む目的を明確にし、カラーバス効果を活用して集中力を高める。 |
読書中 効率的な速読 | ・パレートの法則: 本の2割が重要な情報。 ・スキミング: 拾い読みで重要な箇所を見つける。 ・読むリターンがない箇所は切り捨てる: 投資効率を意識する。 |
読書後 読書メモ | ・読書メモの作成: 学びの大きかった内容を5~9つ選び出し、メモツールに書き出す。 ・アウトプット例: 著者の主張とその根拠を箇条書きでまとめる。 |
読書の方法に、こうでなくはいけないというルールはありません。
しかし、効率的な方法と実践的な活用法を意識することで、自己成長と仕事のパフォーマンス向上に役立つ強力なツールとなります。
ぜひ今回の記事を参考に読書を効率化してみてください。
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